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2021.10.08

日本の素晴らしい「母子健康手帳」

「母子手帳って,全世界にあるものじゃないんだ」

これは,私が2人目の子どもをインドで妊娠したときに思ったことです。私には3人の子どもがいます。2人目の子は夫の海外赴任で滞在したインドで妊娠,出産しました。それまで私は,母子健康手帳は全世界に共通してあるものだと思っていました。でも,それは間違いでした。インドには,全国で共通の母子健康手帳というものはありません。しかし,各病院で独自に妊娠期や出産後の母子の記録を残す冊子が配られます。このような冊子があるのは,経済的に恵まれている層が通院できる設備の整った私立病院だけです。インドは日本と比べて経済格差の大きい国です。したがって,貧しい人びとはそのような病院に通うことができないため,このような冊子は配られないのです。このことを考えると,日本全国でほぼ共通した内容の「母子健康手帳」が経済的な状況に関わらず,妊娠した女性にはすべて交付される日本の仕組みには感嘆の念を禁じ得ません。「母子健康手帳」は女性と子どもの心身の健康を守る重要な仕組みだと思います。瀬木三雄先生が考案された「母子手帳(母子健康手帳の前身)」の素晴らしさを改めて実感する機会となりました。

(松本みゆき)

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