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2021.08.20

健康を願い、愛を繋ぐ

「20歳の誕生日にはこれを渡すと決めていたから、これからは自分で持っていて。」と、母から手渡されたプレゼントは、母子健康手帳だった。大切に保管されていたものの、20年物とあって、表紙などには綻びがありさすがに年月が感じられた。しかし、私の手に乗せられたそれは、キラキラと輝いていてとても重く感じたことを今でも覚えている。

自分で保管するようになってからは、勤務先で麻しんや風しんが流行した時、予防接種歴を確認するために開いた。また、子育て中には、子どもの発育や発達の様子と自身の記録を重ねて見たこともあった。そして、子どもたちが小学生の頃、わが子の2冊と自分の母子健康手帳を並べ、生まれてきたときからこれまでの様子について話をしたこともある。私は、自分の母子健康手帳を開くたび、医師や母が残してくれた記録を見て、家族が私に願ったであろうことを想像すると嬉しくて胸が詰まった。そして、家族が私の健康を願いながら、大切に育ててくれていたことを実感し、これからも自分を大切にして生きなければと強く思った。

平成27年と平成31年、わが子の20歳の誕生日には、私は母がしてくれたそれと同じようにプレゼントを手渡した。

(ごとう みえ)

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