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過去の子どもと自分に会いに行こう

妊娠が分かり、しばらくすると支給される母子手帳。初めて手にしたときは、これまで経験したことのないような気持ちになったのを思い出すーうれしさと希望と少しの不安。

今年で9年目となる私の母子手帳には、色々なことが書かれている。妊娠中の体調管理、出産時の様子、赤ちゃんの成長記録やその時々の悩みまで。久しぶりに読み返すと、すっかり忘れていた悩みや心配事が沢山書いてあった。そこには、病気になり入院したこと。何時間も泣き続けることや、離乳食を食べてくれないこと。ひどい夜泣きで自分も眠れない辛さや、言葉の発達についての悩みまで書いてあった。今振り返ると懐かしいと感じるが、そこには育児に悩み、必死に子供を育てている自分が確かにいた。これまで子供の成長はスマホの写真をみて振り返ることがほとんどだった。写真で見る子供と私は、いつも笑っていた。子供が泣いている写真はあまりなく、写真の中の私はいつも笑っていた。楽しい思い出は写真で振り返ることができるが、悩んでいた思い出はなかなか写真からは出てきてはくれない。過去の悩みと向き合うことで、私たちはこんなにも沢山の悩みや試練を共に乗り越えてきたのだと実感した。

今回、この「母子手帳と私」というテーマの文章を書くことにならなければ、忘れていた過去の自分に会いにいくことはできなかった。またこれからも育児に悩むことも沢山あるだろう。時には、反抗期を迎える子供とぶつかることもあるだろう。その時は、また母子手帳を開き、過去の自分に会いに行こうと思う。辛い気持ちも、振り返ればきっと懐かしい思い出に変わってくれると信じて。

（短大　事務局　M）